当院の検査実績データと分析(last update 2018.3.30)
[乳腺外来を受診された患者さんの推移(1)]
[乳腺外来を受診された患者さんの推移(2)]
[現在授乳中で乳房の症状や授乳について悩んでいる方へ]
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2002年4月開院以来16年間の当クリニック乳腺外来を受診された患者さんの推移を以下に示します。昨年は1年間で5565名の方が受診されました。


2015年10月/から、マスコミでの乳癌報道の影響が強く、沢山の方が乳房に対する強い不安を持つようになり、特に授乳期や、30歳代の方の受診が増加しました。以前と比べ受診者の方の訴えの内容は、乳房のある位置に感じる痛みや違和感、はり感に対して強く不安を感じている方が多いことが特徴になっています。この傾向は一作年より一層強くなっていました。80%以上の方が、乳房に症状("しこり"以外の自覚症状)が出ることで、病気に対する強い不安感を感じて、いてもたってもいられない状態で受診されました。病気のサインである、乳房のしこり感はほとんどの方で、自覚されていませんでした。とにかく病気に対する不安(乳癌であったらどうしよう?)が強く、受診されました。この"しこり"以外の症状による不安感を強く訴えて来院された方からは、1例も乳癌は発見されていません。

また乳癌検診を検診施設で受けて、報告書に良性の疾患を疑って経過観察と記載されると、この記載された内容に不安を感じて、診察、再検査を受けに受診される方が多かったことも昨年の特徴でした。記載された内容にかかわらず、記載されたことに不安を感じる方が多く、不安感を過敏に感じる状態が反映されていました。

乳房の病気のサインは、痛みやはり感ではなく、乳房に手で触れることのできる"しこり"なのですが・・・・、このことを繰り返し説明し、受診により病気がないことを証明することで不安感を取り除くことが最も必要な状態でした。
そこで乳房の病気の症状は、乳房の痛みではなく、自己検診を継続することで発見できる"しこり"であること、そして特に40歳代は毎年の乳がん検診受診の必要性と、同時に自己検診の仕方を手を取って丁寧に説明しています。

(図1)

次に、その受診者の年齢分布の推移をみますと、40歳代の方が最も多いのは変化なしですが、受診者数の内訳では、20-50歳代の受診者数は前年よりも増加して、各年齢層とも過去4年間で最も多くなっていました。50歳以上の方の受診者まだ少なく、30歳代と50歳代の受診者数が拮抗しています

(図2)。
乳腺外来受診理由の推移を見ますと、第1位が乳腺腫瘤、第2位乳癌検診、第3位が乳房の痛み、ハリ感などの症状であり、今回は乳腺腫瘤が圧倒的に多くなっていました。(図3)。いかに"しこり"の症状に敏感になって受診されたかがわかります。

図3

浜松市乳癌検診は、40歳以上69歳までは1600円の自己負担金で検診が受けらます、70歳以上は無料です。検診方法は、40歳代はマンモグラフィ2方向と触診、50歳以上はマンモグラフィ1方向と触診で、何れも超音波検査はありません。
 また乳癌検診の基本は触診+超音波検査+マンモグラフィ2方向なのですが、市の検診や、職域検診では、超音波検査が省略されたり、マンモグラフィと超音波検査を交互に隔年で実施していることが多いようです。

1)乳癌検診には視触診とマンモグラフィを併用すべきであることが厚生労働省により2004年3月に決められ、40歳代は1年に1回、50歳以上は2年に1回の視触診とマンモグラフィ併用検診が推奨されました。しかし乳房検査では、触診、マンモグラフィ2方向、超音波検査の3つを同時に行うのが標準であり、最も重要です。これは乳癌検診にもあてはまることです。
自分の乳房の状態を正確に知るためには、この触診、マンモグラフィ2方向撮影、超音波検査の3つを同時に受けることが必要です。これは年齢に関係ありませんし、これを最低2年に1回続けることをお勧めします。
腫瘤が発見されたら、細胞診または針生検を適宜追加して良性・悪性の鑑別診断を行います。更にこれで診断がつかなければ、組織検査のために局所麻酔にて病変を摘出することが必要です。

2)視触診・マンモグラフィ2方向・超音波検査の3つの検査を行った方は、
外来受診者のほぼ80-90%を占めています。これらの受診者のうち何らかの所見(病変)があった方(有病者)は、この6年間50-40%でほぼ一定です(図4)。

図4

有病者の受診理由を見ると、『乳房のしこり』を訴えている方が圧倒的に多く、次いで他の施設での乳癌検診で要精査(再検査)とされた方です。またこの有病者中に発見される病気は、ほとんどが良性の病気ですが、発見された良性疾患と乳癌の比率を図5に示します。ちなみに昨年発見された乳癌は94例で有病者中3.7%でした。

(図5)

3)この15年間に発見された乳癌の内の早期乳癌であった割合を図6に示します。年度により乳癌診断数も早期乳癌の比率もやや異なります。早期乳癌とはしこりの大きさが2cm以下の第1期乳癌と、組織型が非浸潤癌であったものをあわせたものです。ただ、毎年のように進行した状態(腫瘤が5㎝以上になっているもの)で来院される方が後を絶ちません。

図6
この早期乳癌のうち手に触れない状態(手で触っただけでは発見できない乳がん)で発見された例(非触知乳癌)は、マンモグラフィで発見されたもの、超音波検査で発見されたもの、血性乳頭分泌で発見されたものが含まれます。以下にその年度別内訳を示します。

図7:年度別非触知乳癌の症例数と発見動機別内訳

超音波検査で発見される非触知乳癌が年々増加しています。この図から、
自分で自覚する前に発見される早期乳癌発見には、マンモグラフィも超音波検査もいずれも必要であるこがわかります。

また各年度の当院の診断乳癌における非触知乳癌の割合を以下に示しました。毎年手で触れない乳癌(非触知乳癌)の発見数が増加し、常に全体の20%以上を占めているのが分かります。つまり自分でしこり自覚する以前の状態の乳がんを、マンモグラフィや超音波検査で発見しているのです。
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